ひょんなことから、久しぶりに彼女とやり取りが始まり、私は、彼女がその後北海道へ移り、ゲストハウスでスタッフをしていることを知った。タッチドローイングのリトリートをそこでやれると良いね、などと彼女と話していたら、そこから急に私の北海道行きへと展開して行ったのだった。
時が満ちれば、物事は自然に動き出す。宇宙のGOサインが出ている時は、お膳立てが整っている。彼女の存在が、北海道へ行きたいという私の内なる衝動をスピーディに具現化させ、そこからさらに可能性を広げる力強い下支えとなってくれたのは、有難いことであった。
集合時間が迫り、メンバーが一人、また一人と程よい間隔で到着する。それぞれゲストハウスへ到着するまでがちょっとした旅になったようで、程度の差こそあれ、何かしらのプロセスを通ってたどり着いているように感じられた。
芸術作品に囲まれた心地よい空間で、地元の食材をふんだんに使った心のこもった料理を手作りの食器でいただきながら、私たちは豊かな分かち合いの時間を過ごした。心温まる語らいの中で、相互信頼の心地よさに包まれた。穏やかで滑らかに時間が流れて行き、ここにこうして一緒にいる仲間は、私にとって、はるか遠くから長い長い旅を続けてきた大切な同志のように感じられた。
突然、窓の外に淡い翡翠色をした大型の美しい蛾が現れ、私たちを驚かせた。色も形も見たことがない繊細さ。暗闇をバックに翡翠色の羽は光に反射して、夢のような美しさだった。
その翡翠色の主は「オオミズアオ」と呼ばれるそうで、住宅地で見かけるのは珍しいとのことである。自然からの美しい贈り物。祝福の舞を舞っているかのように、しばらく窓の外で羽をばたつかせると、オオミズアオは去って行った。