2019年3月3日日曜日

54 こんまりさんがやって来た

複数のことが並行して起こっているため、時間的には少し前に戻るが、退院してすぐのある日、夫が興奮したように言った。

「俺のネットフリックス・アカウントに、こんまりのショーが入って来てびっくりした」

「???」

アメリカに住んでいた頃から、夫はネットフリックス動画配信サービスを利用しているが、アクセスすると、近藤麻理恵さんのアメリカでの片付けリアリティショーが、リクエストもしていないのに勝手に入っていたとのことだった。

私はニヤリとした。というのも、退院して帰宅した時から片付けをしたくてうずうずし始めたからだった。

「そうそう、断捨離のタイミング!」

私たちは2012年の秋までアメリカにいたので、近藤麻理恵さんのことも断捨離ブームのことも間接的に聞いたことがあるだけだった。その後、アメリカの友人がこんまりメソッドの話をしてくれて、具体的に知ることになる。

今年の元旦からアメリカで始まったショーが、片付けたいと思っていた私の気持ちにシンクロするように、夫を通してやって来た。

私たちは早速8つのエピソードをひとつずつ見始め、それと並行して私も片付けを始めた。以前やった片付けとは違い、こんまりメソッドを使ってみると、片付けを通じて自分と物との関係性、その背後にある想いなどが見えてくる。

持っている衣類を全て一箇所に出してみると、普段着、外出着の扱い方、種類、着る頻度やパターンが良くも悪くもいかに母親の影響を受けているかがわかった。

大胆な色や柄も好きなのに、目立ち過ぎることを極力抑えて来た。色々持っているにも関わらず、こなせていない。色々なものを試してみたいという、好奇心旺盛な自分がいるし、選んだ服から、フェミニンから男前まで様々な側面が顔を覗かせる。片付けながら、ふふ〜んフムフムと頷き、そんな色々な自分を抑えずに、もっと発揮させてあげようと思った。

捨てることに対する罪悪感は、とどのつまり「地球を汚したくない、これ以上負荷をかけたくない」という考えだった。その罪悪感を持ちながら、捨てられないものにスペースを取られてイライラしながら生活する方がよほど不健康で、そんな自分が地球と良好な共同創造ができる訳がない。

捨てるとほとんど100%の場合、スッキリしてエネルギーチャージされ、スペースができた分だけ新しいものを迎えるワクワク感となっていく。

それにしても、このタイミングで夫のネットフリックスに入ってきたなんて、またしてもおもしろ過ぎる!