2019年3月3日日曜日

29 手術日が決まった

三日後、病院の事務担当者から電話があり、翌週の火曜日と金曜日のいずれかを手術日にしたいという連絡があった。4人部屋になるがそれでも良いかと再確認され、私はもちろんそれで構わないと答えた。

少しでも早い方が良いと思い、火曜日を希望するが執刀医は誰かと尋ねると、診察の担当医にお願いしようと思っているという。 

ええっ嘘でしょ?あの若造、手術できるの?!
申し訳ないが、それが私の正直な反応だった。右目はそんな簡単な手術ではないはず。あの先生だけは避けたい。できれば、以前夫がお世話になった熟練の先生にしてもらいたい、と心の中で願った。 

「では、金曜日の場合、執刀医はどなたでしょう?」

「やはりXX先生に・・・」 

私は観念した。宇宙はその先生を任命したのだ。それに、忘れていたが、先生の診察室番号は8番だった! 

「わかりました、では火曜日にお願いします」
 
「火曜日ですね。4人部屋になりますけど、よろしいですね?」

「はい、よろしくお願いします」 

手術日が確定し、入院も決まった。 

私は心を落ち着けた。手術の順番がようやく回ってきた。あの先生の手術を受ける・・・。 

担当医に初めて会った時、私はまだ学生かと思ってしまった。これまで数回診察を受けたが、目の状態を調べる時以外は、私ではなくコンピュータの画面の方へ顔を向けて話していることが多く、むっつりした感じの先生だった。患者が多くて忙しいので長い質問をすると嫌な顔をされそうで、軽い会話なんてとてもできない雰囲気もあり、私は医師との距離を感じていた。 

5ヶ月近い手術待ちの間は診察もなかったため、さらに距離を感じていた。このままではいけない、私にとっては大事な手術を前に、何か先生と繋がる方法はないだろうかと考えていたら、ふと、ハイヤーセルフと繋がれば良いと閃いた。 

そこで、目を閉じて、私のハイヤーセルフと先生のハイヤーセルフをイメージしようとした。すると、イメージするよりも先に、既に二人が向かい合ってがっしりと硬い握手を交わしている映像が浮かび、あらら、とてもいい感じ、もう上(高次)では準備万端なのね、と苦笑した。

悩める私の思考は、無駄な取り越し苦労だったようだ。