2019年3月3日日曜日

1 はじめに

2017年の春にアメリカに旅行中、突然網膜剥離になったことは、私にとってとても大きな出来事だった。 

物理的に網膜が破れるということと並行して、心の世界でも様々なことが起こり、目の中に宇宙を観るという神秘体験にまで至った。通常なら、破れた時点で緊急手術が必要なのに2週間も放置してしまい、失明寸前で九死に一生を得たというのは、かなりの危険を冒したビジョンクエストのようなものだった(網膜剥離のエピソードはこちら)。 

しかし、危険を冒してでも得たものは、私自身の成長のための体験だったため、自分のした選択に対して後悔はしていない。体験によって得たことは力となり、私のエッセンスに統合されていく。 

昨年の網膜剥離の体験から、重層的な出来事を通して、私は新たな段階へと導びかれていくことになる。 

渦中にいる時は理解できないことでも、のちに立ち止まって振り返ることで新たな理解に至れたり、理解の幅が広がったりする。すると、これまで歩いてきた道の風景は、より豊かなものへと変化する。それを深く味わうことに喜びを見出すことができる時、そのことがさらに生きることへの充足感を生み出してくれる。 

ここに書けることは、今この段階で私が理解できたことのみで、それは巨大で複雑なプロセスの中のほんの一部でしかないだろうが、体験や気づきを文字にすること自体、私がやりたい創造のひとつなので、これは私にとってエキサイティングであり、喜びでもある。