2019年3月3日日曜日

37 中心の目と放射状ライン


ものの見方を変えるだけで随分気が楽になったり、解決の糸口が見えてきたりする。ここ3年ほどの間に、私の家族にも大きな変化の波が訪れ、私は飲み込まれて沈みそうになったこともあったが、頭を切り替えて行動すると気分が変わり、状況が好転するということを経験した。 

その切り替えとは、自分の気持ちを優先させて今までとは違った行動をとる(しないことを選択する)ことだった。それは、私にとっては今までとは全く違った角度からの選択だったが、真逆のエネルギーは物事を新しい方向へと押し出す力があると実感した。 

最近は、頭で考えて動こうとしても体が動かないので、結局動かないでいると、体が動きたくてじっとしていられない時が来る。その時は、たいていワクワクする気配があるので、それに合わせて動くと、気落ちよく物事が運んで楽しさや喜びを味わうということが多くなってきている。 

私は自分の体験を通してしか語ることはできないが、体の感覚が開いてくると、頭で考えることが減ってきて、すっきりとゼロに戻っていく感覚が増える。言ってみれば何も考えずに呼吸だけしているようなもので、そこから対象に視線(意識)を向けると俯瞰する位置にいるような感覚がある。 

それが高い位置であるほど視野に入る風景が広がるため、物事を柔軟に捉え、そこから意識的に選択できるようになり、これまでの日常が変化してくるように思う。

いつの日か気づくと、今まで何度も陥っていた穴はもう視界に入らなくなり、自分は既に新しい扉の向こうの世界にいて、そこから以前の自分がいた世界を見て、ああ、あの頃の自分はあんな風に反応してたな、と思ったりする。 

呼吸だけしているようなゼロの立ち位置から俯瞰するというのは、自分の中心にありながらも外側から観ているので、一見矛盾するように思えるが、それを絵にすると、スターガーデンや私の絵にあるように、360度の放射状ラインが、中心から外側へ向かうと同時に逆に外側から中心へも向かう形になるのかもしれない。 

瞑想するときのように座って、意識を自分の中心から漆黒の宇宙空間全体へと徐々に拡大していくイメージをしてみると、イメージ上の極限に達した瞬間に、意識が必ず最初の自分の中心の一点へも戻り、極限と中心が同時に成り立つ感覚になるが、その感覚を絵にすると、やはりそれもその放射状ラインで表現されるように思う。 

その放射状ラインの中心にある目が「今ここ」の意識で、ありとあらゆるものを包含した中心の一点が今という瞬間だと捉えれば、その瞬間に自分がどうあるかによって他のすべてが影響されるように思える。 

すると、何をするかよりも前に、まずどうあるかが重要になってくるだろう。次に行動が来るが、その時に無数にある可能性の中から意識的に選択していくことは食材を選んでいくようなもので、それを調理して自分なりの味付けをするというのが、自分の人生を生きる=創造するということなのだろう。スターガーデンからイメージが膨らみ、私はそのような洞察を得た。